ミッドランドインキュベーターズでは2017年ごろから起業相談を毎月開催してきました。100人以上は相談にきてもらっています。それぐらいやっていると、よくある質問というのがあり、よくこう答えるというのがあります。私 id:toyoshi (twitter: @toyoshi) の起業準備のため、起業相談をしばらく休みますのでまとめて紹介します。
(実際はもっと丁寧に回答をしていますが、回答は短めでいきます。)
Q. 資金調達という言葉を初めて聞いたけどどんな感じなのかわからない
私もやってみるまでわかりませんでした。こちらに私の経験からの記事を残したので読んでみてください。1発勝負の面接みたいなものではないこと、単なる返さなくていいお金じゃないということ、逆に単にお金をかりるだけでは得られないメリットがあることを感じてもらえればと思います。
Q. 資金調達をしたいですが何からしたらいいですか?
「資金調達をする=上場をめざす」と思ってもらっていいです。いつまでかというと5〜8年以内ぐらいです。
なので5〜8年で上場できるぐらいの規模になるかどうかを考えてみて、それぐらいの規模を目指せそうかどうかというのを考えてみればいいと思います。規模としては利益が1億円(マザーズでは利益基準はなくなりましたが)ぐらいが最低ラインです。
それぐらいの規模を目指すということであれば、ざっくり事業計画をつくって資金調達経験者やVCに相談にいくといいでしょう。
上場基準はこちらで読めます。
Q. マーケティングをどうしたらいいかわからない
マーケティングの相談はよくありますが、"マーケティング"という楽する方法は知りません。その言葉はいったん忘れてください。
まずお客さんが1人もいないなら、1人に有料で自分が売ってみましょう。創業者が1人にも売れない製品というのは、他の人が売っても、マーケティングツールをつかっても売れません。
そして、1つ売れたら10人までは手売りしてみましょう。するとパターンのようなものが見えてきたりお客さんのことがわかってくるはずです。
すでにお客さんがいるなら、その人にインタビューしてみましょう。どうして使ってくれているのか、今どう思って使っているのか。友達に勧められるか?勧められないならなぜか。
Q. プロダクトを開発中なんですが、どう広めたらいいでしょうか?
まず聞くのは「それって、もうお金出して買いたいっていう人はいますか?」です。私はMisocaを創業するときに20枚のアンケートをつくって、20人の知り合いに「こういうの欲しいですか?」「欲しいならお金出しますか?」「お金出して欲しいと思うぐらいだったら、友達に紹介したいと思いますか?」と聞きました。これはただでできることです。製品をつくるのはお金がかかります。
Q. プログラミングってできた方がいいですか?
よく聞かれます。悩むところですが最近は「やるべき」と回答しています。なぜならプログラミングは3ヶ月ぐらいあれば基本的なことはできるようになることだからです。それぐらいの新しいことも習得できないようでは、これから先経営者として、プロダクト、チーム、財務などのあらゆるスキルを習得していくことができません。
このアドバイス後に、できるひとは数ヶ月で「アプリ作ってきました」と報告してきます。 プログラミングぐらいとっととやっつけましょう。
Q. おすすめの本ありますか?
ある。あるけど、これもプログラミングと同じで気になるジャンルがあるなら全部買って1日10冊ぐらい読んだ方がいい。私は最近農業系で起業しようとしていますが農業の本だけでも40冊は読みました。
私は40冊読んで内容はほとんど覚えてませんが、ビルゲイツは読んだ本はほとんど覚えてしまうそうです。起業とはそういう戦いですのでせめて数で負けないようにしましょう。
Q. 共同創業者 / エンジニアってどうやって採用すればいいですか?
以前記事にまとめたのでそちらを読んでください。
こちらが聞くこと「それってあなたはお金払いますか?もしくはお金払う人を1人でも知っていますか?」
これは意外と「あ〜払いませんね」という人が多いです。
高齢者向けのサービスとか、学生向けのなにかとか、そういう漠然とした課題を解決しようとしていたり、自分ができる技術から製品を考えてしまってる人に多い気がします。
私も失敗したことがあるのですが、リリースするプロダクトは作れたとしても、その後なにをしたらいいかわからないし、顧客がついてもその人たちのために頑張ろうと思えないので続きませんでした。
もし払う人を一人も知らないならちょっと考え直すのが妥当でしょう。
こちらが聞くこと「リーンスタートアップとか、顧客開発って聞いたことありますか?」
リーンスタートアップや顧客開発というのは、スタートアップができるだけ失敗を避けるためのノウハウです。その方法をとるかとらないかは別として知らないとなると、企業に関してはかなり無知な状態だと自覚した方がいいと思います。
まずはランニングリーンや起業の科学といった本をよんでみましょう。
会社設立で気をつけることは?
まず、創業者間契約は何がなんでも締結してください。下記のテンプレは0か100かになってますが、最近は何年か在籍したら何割か残すような場合も出てきました。私が最近設立した会社も5年いれば辞めても100%残るようにしました。
次にこちらの連載を必ず読みましょう。スタートアップ設立の観点でポイントが書かれています。
さいごに
リーンスタートアップを勉強して、馬田さんの資料を全部読みましょう(こちら)起業はとてもエキサイティングなことです。一緒にがんばりましょう。参考になったらTwitterなどぜひフォローしてください。